コラム特集
「エディ・アイカウの試合中のオンボードカメラクリップ」- F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by Shane Dorianシェーン・ドリアンのご協力で、エディ・アイカウの試合中のオンボードカメラクリップゲット。
パイプも始まってはいるんだけど、あの波でアーリーラウンドやっちゃうってことは、この先あんまりいい波が続かない予報なんだろうと思う。昨年のような試合にはならない可能性が高い。
まぁ、波が良くなければ良くないほどパイプみたいな場所では番狂わせが起こりがちなので、パイプでのスキルどうこうで結果は考えにくいんだろうな、と思う。アーリーラウンドの感じだと、ケリー2連覇は無いかなぁ。究極のオールラウンダー強し、なんだろうと思う。
さて、2016年以来6シーズンぶりに行われたエディ・アイカウ。
最初に招集がかかったのは1月上旬だったけど、この時は結局キャンセルで、まぁ、そのキャンセルも予報を見ればわかり切った感じだったという関係者が多く、ああやって派手に前宣伝したんだ、と見る向きもある。それもそのはず、今回のエディに関しては大口のスポンサーがまるで集まらず、開催わずか3日前にハワイアンエアラインがついてようやく成立、みたいな話も出ていて、いろんな駆け引きがあったような話もたくさん聞く。
ま、でも結果的に開催されたのが1月22日の日曜日。
日曜日とあってその人出と混乱は大変なものだったようで、いつもお世話になっているワイメアにほど近いジョン・カーパー宅の家の前の駐車場には、他人の土地にも関わらず、夜中からテント張ったりハンモックかけたりのとんでもない輩が出たらしい。もちろん早朝は暗いうちから周囲は大変な騒ぎで、あのコンパクトなベイに2万人という人出だったとか。道路は当然パニック状態、毎回とんでもないことになるエディだけど、今回は週末で過去最高の混乱だったようだ。まぁ、日曜日だから通勤の人が少なかっただろうから、それはよかったのかも。ホント、ノースにいなくてよかった(笑)。
さて、このシェーンのオンボードカメラクリップは後ろから来るピーター・メルとシェーンがハイタッチとかする様子。ラウンド1のヒート中なんだろうと思う。ゼッケンついてるから。なんかねぇ、いくらライドの終わり近くでも、あの波でハイタッチの余裕って何なんだろう。
今回のワイメアに関しては、シェーンは今までで一番いいコンディションだったかもしれない、と言い、ピーターは今までで一番怖かったと言ったそうだ。
そして今回のエディには史上初の女子選手もいたり、マイケル・ホー、メイソン・ホーが史上初の親子で招待など、話題も多かった。
しかし、最終的に絵にかいたようなエディ・ヒーローストーリーを演じたのが優勝したルーク・シェパードソンだった。
エディ・アイカウはワイメアのライフガードだったけど、ルークも現役のワイメアライフガード、そしてこの日は勤務日で、ヒートの1時間は休憩時間扱い、それ以外はライフガードとしての勤務を続けた。
表彰式の時もノーアルコールでハワイのライフガードの制服である黄色いTシャツを身に着け、表彰式のあと暗くなるまでが仕事とばかりに、すぐに仕事に戻ったという。なぜなら、試合が終わった後にはたくさんのサーファーが次回のエディに向けて自分たちの実力を見せつけようとするからだ。中には無茶をするものも出てくるので、危険極まりない状況、ライフガードはひと時も気を抜けないわけだ。
このある意味ワイメアの縁の下の力持ち、ルークの優勝は多くの人の賛同を得て、見ていたもの皆に、よかったね、と思わせた。アイカウファミリーも粋な取り計らいをすると、現地では高評価らしい。2位はジョンジョン。まぁこれはもう異次元の技術というか、いとも簡単にあの波を乗りこなすわけで、なんかね、あれ見てると簡単そうに見えちゃう。でもワイメアの波が選んだのはルーク・シェパードソンというひとりのライフガードだった。
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