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「五十嵐で50マーク」- F+コラム

Text by つのだゆき

エフプラスコラム

うちの近くの畑道から国道に出たら、前を走っていたIGARASHI 50。これは信号で止まったら写メしちゃうでしょ。
サイドに五十嵐冷蔵とかなんとかあったので、冷蔵とか冷凍とかで食品などを運送するトラック、世にいうコールドチェーンってやつですね。

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Photo by Angela Zorica

五十嵐で50ってのは超よくあるパターンなので、そんなに珍しくはないけど、なんかカノアのゼッケンと同じレイアウトってのもレアかな、と思って、ちょっとこの会社を探ってみた。まぁ~、グーグル先生は何でもご存じで、2022年で年創業100周年を迎えたという五十嵐冷蔵株式会社という会社の使っている、50(ゴレイ)マークというものでした。
100周年ということでかなりきっちりした会社沿革、歴史を説明したサイトが上がっていて、記念誌も発刊されているらしい。古くからある会社の歴史というのはどこも興味深いものがあってハマってしまいがちで、今私はゴレイにかなり詳しい(笑)。
明治から大正、関東大震災、昭和、戦前戦中戦後……この辺の時代は本当にドラマの嵐だ。

明治のころの創業者の五十嵐與助さんは奉公人上がりの青物商。野菜や果物を扱ううちに、青い輸入バナナをこたつで短時間で追熟させる手法を開発し、五十嵐果実店は東京でも有数の果実店になる。
バナナヒットで資金ができて、その後は北洋漁業にも進出、1922年、大正11年に現在の五十嵐冷蔵本社がある芝浦の埋め立て地に、日米水産株式会社を創立した。社史ではこれを五十嵐冷蔵の創業としている。この会社の主な事業は鱈のカス漬けの対米輸出だった。その後関税問題等が起きて、国内販売に転向、鱈の粕漬けは国内で大ヒット商品になる。
1929年に日本に飛来したドイツの飛行船ツェッペリン号にちなんで、当時商っていた鱈を飛行船に見立ててロゴを作り、商品ラベルや広告ポスターなんかに使ったようで、これがかなりカワイイ。コピーは「鯛よりもうまい粕漬の鱈」まぁー、昭和初期にしちゃシャレてるんですよ、このロゴ。
そこから冷凍食品やその保管、輸送などと業態を変え、今は冷蔵倉庫や物流の大手。言われてみれば、東京に車で行くときに芝浦とか大井あたりの高速脇に「五冷」って書かれたでかいビル、つまり冷蔵倉庫なんだと思うけど、あったな、と思う。このトラックが川崎ナンバーなので、京浜工業地帯、東扇島のあたりだったかもしれない。とにかく窓のない白っぽいでかいビルに、五冷の2文字。
五十嵐冷蔵→五冷→ゴレイ→50ですね。

この写真の50(ゴレイ)マークは、五十嵐冷蔵(株)の冷蔵倉庫のデザインを手がけた(株)松田平田設計によるデザインで、創業者のユーモア精神を受け継ぎ、50(ゴレイ)に雪の積もったデザインと海を表すブルーで、90年代から現在に至るまで使用されているようなので、こちらが先だろうけど、まさかカノアの親戚筋ではないよね?もしそうならだいぶお金持ちそうな一族だ。まぁ、カノア本人もサーファーとしてだいぶお金持ちなので、お金ってお金のある所に集まるのね、って落としどころだけど。

以下はRed Bull SurfingのYoutubeチャンネルにポストされた、「五十嵐カノア|世界タイトルへの挑戦」ドキュメンタリー。
カノアに7ヶ月間密着し、2022年のWSL チャンピオンシップ・ツアーの各スポットを振り替えりながら、幼少期から現在に至るまでのストーリー、サーフィンに対する強い情熱を自身の言葉で語るというドキュメンタリー映像。タイムリーだったので、気になった方はチェックしてみてください。

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