コンテスト
WLT第2戦『Vans Duct Tape Invitational』を制したのは?
PHOTO: © WSL/Kenny Morris
オーストラリア、シドニー近郊のマンリービーチで5月に開催された開幕戦『Sydney Surf Pro WLT』から2ヶ月。
WSLロングボードツアーの第2戦『Vans Duct Tape Invitational』がカリフォルニアのハンティントンビーチで開催され、現地時間8月7日に終了しました。
以前からUS Openとの併催でダクトテープは開催されていたものの、それはジョエル・チューダー考案の独自のフォーマットで、シェアライドもOK。2019年に湘南・鵠沼で開催された時のようにファイナル前にアルコールを飲む儀式?など自由な招待制のイベントでした。
今回はダクトテープが初のWSLイベントになり、そのルールは従来のWSLに沿って進行。
途中挟まれたパドルレースに関してはダクトテープらしい雰囲気でした。
トッシュがハリソンを倒し、ジャスティンがカニエラに敗れる
PHOTO: © WSL/Kenny Morris
イベント前半はメキシコ沖から北上してきたハリケーン「Frank」からの大きな南南西ウネリでヘッドオーバーサイズ。更に風の影響も入った難しいコンディションで進行。
後半はウネリも落ち着いてきましたが、ピア横で割れるハンティントンビーチの波質は独特であり、併催された『Vans US Open of Surfing』と同じく、いくつかの番狂わせも...。
PHOTO: © WSL/Kenny Morris
その中でもR4でジョエル・チューダーの息子、トッシュ・チューダー(USA)がカレントリーダーのハリソン・ローチ(AUS)を倒したことは大きな話題に。
今回ワイルドカードで出場したトッシュでしたが、すでに父親譲りのスタイルを確立しており、近い将来ワールドタイトルを狙えるロガーに成長してくるでしょう。
そのトッシュは次のQFでジャスティン・クインタル(USA)と対戦して敗退。
ディフェンディングチャンピオンのジャスティンは優勝候補の筆頭で、ピアに向かって割れるレフトを乗らせたら世界一。
しかし、そのジャスティンもSFでカニエラ・スチュワート(HAW)に敗退することに...。
3Xワールドチャンピオンのテイラー・ジェンセンが久々の優勝
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
SFから始まったファイナルデイ。
メンズサイドは2011年、2012年、2017年と3度もワールドチャンピオンに輝いているテイラー・ジェンセン(USA)とSFでジャスティンを倒したカニエラが対戦。
前半に7.67を出したテイラーが6.17のバックアップスコアを重ねて主導権を握り、6ポイント台止まりだったカニエラをニード7.84のシチュエーションに追い込んで2018年以来の優勝。
ハンティントンビーチでは2015年の『North America Longboard Championships』以来の優勝と久々の表彰台の頂点。それも娘の目の前での勝利は感慨深い勝利だったでしょう。
「クリーンなライトの波を選び、全てをライディングに含め、フィニッシュを上手く決めるなど確実に勝ちに行こうと思ったんだ。参加した全てのサーファーが世界最高峰さ。ここは地元に近いのに、悪い結果が重なっている。今回優勝したことで次のマリブの準備にもなったよ。本当に嬉しい」
全3戦で争われ、最終戦のマリブのみポイントが倍になる2022年のロングボードツアー。
今回の結果によってカレントリーダーはカニエラに変わり、ハリソンは2位、テイラーが3位に浮上しています。
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ウィメンズはケリス・カレオパアが2連勝
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ウィメンズサイドはハンティントンビーチのダクトテープのディフェンディングチャンピオン、ケリス・カレオパア(HAW)がホノルア・ブロムフィルド(HAW)と対戦。
昨年、22歳とウィメンズロングでは最年少で3Xを達成した強豪ホノルアですが、17歳のケリスは前半に6.67、5.90とスコアを固め、ニード7.20のシチュエーションに追い込みます。
ホノルアは5ポイント止まりで最後まで逆転のチャンスを与えられず、ケリスがハンティントンビーチで2連覇を達成。
LTでは2020年のヌーサ以来、2勝目。ケリスは開幕戦に出場していないため、ランキングは5位ですが、最終戦のマリブ次第ではワールドタイトル獲得の可能性も十分にあります。
「ファイナルの後、従兄弟(カニエラ・スチュワート)とハグした時、本当に心が温まったわ。私がここにいる時のモチベーションは、家族であり、友人であり、故郷のサーフコミュニティなの。私は叔父や叔母に囲まれてサーフィンをして育った。このスポーツ、この情熱を私に教えてくれた彼らへの感謝の気持ちを込めて、この仕事をしているのよ」
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なお、日本からは井上鷹、田岡なつみ、吉川広夏が参加。
全て9位でフィニッシュしています。
ちなみに開幕戦前にジョエル・チューダーが出場停止処分になってまで訴えた賞金額ですが、CSの『Vans US Open of Surfing』は優勝賞金が20,000ドルだった一方、LTは5.500ドル。
共に男女平等ではあるものの、ショートボードとロングボードの差は依然大きいのが現実です。
今回、WSLアジア代表として参加した吉川広夏も遠征費をクラウドファンディングで募集。コンテスト出場にかかる費用は2戦で100万円とのことなので、優勝しても賞金は相殺されることになります。
最終戦『Cuervo Classic Longboard Championship』は10月3日〜13日にマリブで開催されます。
『Vans Duct Tape Invitational』結果
1位 テイラー・ジェンセン(USA)
2位 カニエラ・スチュワート(HAW)
3位 カイマナ・タカヤマ(HAW)、ジャスティン・クインタル(USA)
5位 スティーブン・ソーヤー(ZAF)、トッシュ・チューダー(USA)、ケヴィン・スカヴァーナ(USA)、デクラン・ワイトン(AUS)
ウィメンズ
1位 ケリス・カレオパア(HAW)
2位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW)
3位 ケイトリン・ミケルセン(USA)、レイチェル・ティリー(USA)
5位 アヴァロン・ガル(USA)、ソフィア・カルヘーン(HAW)、クロエ・カルモン(BRA)、ソレイユ・エリコ(USA)
『Vans US Open of Surfing』公式サイト
https://www.vansusopenofsurfing.com/
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