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勝つためにエアーは必須?[ミックとロスのディベート第14回]-F+(エフプラス)

Text by つのだゆき

ナラビーン、ミックのサーフィンは往年のものをほうふつとさせたね。スピードとキレ。40歳であれって、結構すごいかも。ラウンド3でイタロにやられたけど、エアー勝負じゃないところだったらまだまだいけそう。それと共に、イタロのエアーにあのスコアリングするなら、ワールドタイトルは当分安泰かも。いくらビーチブレイクでも出しすぎ。特に最初のやつ、あれはビッグジョークだったな。直前のヒートのモーガンの6点より高いってのは意味不明。なんでもかんでも飛べってメッセージとしか思えないので、みんな飛べばいいんだね。

ギャラリーも相当密だけど、完ぺきに国内外からの人流を早い段階でシャットダウンしたオーストラリアは感染抑え込みに今のところ成功しているので、マスクなしでの密も大丈夫ってことだね。まぁ、これやっててなんかの間違いで感染者入っちゃうと大変なことになるわけだけど、タイミング的にそうこうしているうちにワクチンいきわたるという成功例かと思う。国内外とも人流ゆるゆるの後手後手対策だった失敗例の日本に比べると別世界ね。

しっかしこのミックとロスのシリーズ、試合より面白いかも。
特に今はミックがワイルドカードで現役復帰の真っただ中なので、選手目線のコメントとかしびれっちゃうね。日本のコンペティター全員耳をかっぽじってよ~く聞いとけ、ってレベル。今回は特に、試合に勝つためのタクティクスとか考え方とか、ミックのコメントが超一流でホント興味深い。
では。第14回? 先週の金曜日のやつね。祝週回遅れ解消。

1:ニューキャッスルではエアーで勝ったヒート続出だったけど、勝つためにエアーは必要不可欠か。

ロス:必要。モーガン・シビリックやライアン・カリナンはエアーなしでも9ポイントライドがあったけど、それらはヒートの中でもベストといえる波。ガブやイタロは普通のクローズアウトの波のワンセクションでのクレイジーなエアーだから、大きなアドバンテージだと思う。

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(ガブリエル・メディナ) PHOTO: © WSL/Dunbar

ミック:大きな武器にはなるけど、エアーなくても相手にプレッシャーはかけられる。よく見てると彼らは1、2本飛んでみてその日の感触を確かめて、3本目ぐらいにクレイジーなやつをやってくるから、その前にスコアを稼いでプレッシャーをかけることかな。それは僕が現役の時にケリーとやるときの作戦に似てる。ケリーは何でもない波でハイスコアを出すマスターだ。だから、ケリーとやるときはとにかく彼に自由にサーフさせないことを心掛けた。先に乗ってプレッシャーをかけたり、とにかくリズムを壊すようにする。今回イタロには飛べないようにセメントブロックでもぶら下げておきたい(笑)。

2:チャットとかでいろいろ言われてるけど、モーガン・シビリックはオーバースコアだったと思うか?

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ミック:いいスコアを出すのに必要なことはしっかりやってたと思う。いい波に乗って、レールでサーフィンしてスピードに乗って攻める。ライアンとのヒートは確かにクロスではあったけど、ジャッジはライアンに何点必要かをわかってジャッジしてるわけだから、このヒートで勝ったのはどっちか、って判断でポイントが出てきたかもしれない。ジャッジも人間だし、ミスはあるだろうけど、それが後で調整されてるなって感じるときもある。それが試合だからすべてを受け入れるしかない。まぁ、僕がモーガンだったら、ただただいい気分だね(笑)。

ロス:この試合ではそれまでモーガンとライアンのポイントが高めに転んでたけど、あの直接対決ではスケールを下げてきたのが興味深かった。ライアンのバレルは低かったかなと思うけど、とにかくクロスになるヒートが多かった。コンディションのせいもあるけど、岩の上でブレイクする掘れた波はみんなフローターとかしかできないから、80年代のサーフィンみたいになってて、ジャッジも退屈でコーヒーばっかり飲んじゃったかも。

3:1試合終わって、WSLファイナルズに出られるトップ5予想はどう変わったか。

ミック:今のところそんなに変わらないけど、ロスはこの4試合を休むコロヘのかわりに誰をピックするの? 自分なら誰か入れ替えるならジュリアンかフィリッペかな。

ロス:難しい選択だけど、ジュリアンかな。トップ5からジュリアンを外すのは大きな選択だったけど、現状で替えるならジュリアン。サーフィンは悪くなかったし。
ふたりとも女子に関してはステファニー・ギルモアのウイークポイントはビーチブレイクなので、それを克服すべきという意見。

4:ミックのラウンド1、イタロとモーガン・シビリックとの対戦に向けての作戦は?

ミック:希望は一切ないよね。イタロは世界一、モーガンはルーキーで初戦3位、それを考えれば自分より彼らのほうが負けられない、ってプレッシャーが強いと思う。自分がヒートで何もできなくても、年寄りだからねー、で済むし(笑)

ロス:リタイアした後ツインフィンとかいろいろファンボードに乗っててまたハイパフォーマンスボードに戻るって、慣れるのに大変じゃない?

ミック:初めは少し苦労したけど、ダレン・ハンドレーがちょっと工夫してくれて、新しくきたやつはいい感じなんだ。コーチのフィル・マクナマラとイーサン・ユーイングをパートナーにヒート練習をして、そういうプロセスの練習をするのも楽しかったし、とにかくヒートで最初の波にテイクオフするまでわからないよ。オーバースコアなのか、アンダースコアなのか(笑)。

ロス:誰を負かしたい?

ミック:年取ってきてから、とにかくその時のベストなやつらに勝ちたいって思ってた。昔ならケリーとかパーコとかタジとか。近年の若手ならイタロ、ガブリエル、ジョンジョン。彼らを相手にしていいパフォーマンスができてプレッシャーを与えられれば、勝ち負けに関係なく自分的には満足だね。
背番号の7はセスに譲っちゃったから違う番号で出るんだよ。スペシャルなんだ(笑)。
スペシャル背番号はXでしたね。ミックのでかい背中にドンとXはかなりカッコよかったかも。


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