コラム特集
ワイルドカード出場のミックの強敵は?[ミックとロスのディベート第13回]-F+(エフプラス)
Text by つのだゆきミック、ディベートやってる場合ではなく、ナラビーンの試合にワイルドカード参加。今回のディベートで彼自身がそれについて語ってるのでそこは注目だけど、それよりなにより、相当マジでやってきてるな、と思う。もう顔つきが全然違うし。ツアーにいたころのミックの感じに戻ってるというか、そういう顔に絞れてる。だいぶトレーニングとサーフィンやってる顔になったと思いませんか?
この人ストイックなんだなぁ、って思う。
まぁ、コッテコテのビーチブレイクのナラビーンなんで、ブラジルの飛び組を相手にしてのミックはどうかな、とは思うけど、本人のいうように今やらないともうできないかも、というのも現実で、年齢的な問題はあると思う。なんだかんだ言ってミックも6月で40歳なんでねぇ。
ではディベート第13回。今回は進行役のココ・ホーがいないけど、これはこれで問題ないと思う。とにかくこのふたりがいれば話は面白いので。
1:まずは大物を倒したコートニー・コンローグとモーガン・シブリックのどっちが上まで行けるか
結果コートニー5位、モーガン3位ってことで、パス。
2:ミックのワイルドカードについて、ミックにとって誰が高いハードルになるか
ロスは、「チャンプの時はワイルドカードを破る立場、今度はチャンプを破る立場で、立場が逆で同じマインドセットができるのかどうか難しいんじゃないかと思うけど、君自身のことだから、君が話して」と、ミックに振る。
ミックは「悪い気分じゃないし、過去何度もワイルドカードに自分の夢を打ち砕かれてるから相手のタイトル争いとかのことは気にしない。それよりあのレベルで試合するってことに対する準備が大変。出るからには何とかして勝たなくちゃいけないし、でも自分はビーチブレイクあまりうまくないしとか、いろいろ考える。とにかく集中して自分のサーフィンをあのレベルに持っていくこと、自信をつけること。正直なところこの2年はあのレベルでのサーフィンはできていないから。昨年ベルズやJベイでのワイルドカードを想定してたし、今年はちょうどワイルドカードでのベルズ初優勝から20年目だから、そこでまたワイルドカードならクールだって思ってたけど、どれもキャンセルになった。でもワイルドカードに関しては、今やらなきゃ将来的にはもうできないかもしれないって思ったから、今回受けることにしたんだ。昔のコーチのフィルといろいろやってる。勝っても負けても、楽しいチャレンジだとは思ってるよ」。
3 ジュリアン・ウイルソンとジャック・ロビンソンのライバリズムについて
ミックは「たまたまシーディングのヒート組でそういうケースになってるだけで、特にふたりが意識してるとか嫌い合ってるとか、そういうのはないと思う。でもそういうことでジュリアンに火が付くのは楽しみ。
あのインターフェアはジュリアンの勝負師としての面が出ただけ。あれをする必要はなかったけど、あの位置にいれば誰でもああする。ジャックは典型的なルーキーミステイクだ。ヒート後のインタビューでジュリアンが言ってた、『残り1分で自分がプライオリティを持ってたらああなるし、ジャックはどかなきゃならない』、っていうのは実に正しいと思う。まぁ、また同じ顔合わせになれば、ハードな戦いになるだろうけどね」。
ロスは基本ジャック押しなので、ウエスタンオーストラリアでの2試合でホームのジャックが上位の成績を出してくることを期待する。
このふたりは基本、ロスはジョンジョン、ジャックロボ押し、ケリー派、ミックはイーサン・ユーイング、ジュリアン押し、アンディ派というカラー分け。そこがまたこのディベートの面白いところでもある。
4:男女ともイエロージャージのジョンジョンとタイラー・ライトのラウンド3敗退について
ミックは「モーガンが9点出す前にジョンジョンはもう少し何とかしなくちゃいけなかった。タイラーはコートニーが1本目に乗る前に4点とか5点揃えててパーフェクトなヒート運びだったけど、待ったコートニーがセットをつかんだ。いつものヒート前のジャンプとかもなかったけど、ヒート前にああいう何か決まった動作をする必要は僕はないと思う。パーコなんて何もしないし。しばらくぶりにツアーに戻ったタイラーだから、今までと違う自分でやりたいんじゃないのかな。ふたりともサーフィンは悪くなかった。単純に運のようなものが勝敗を左右しただけだと思う」。
ロスは完全コーチ目線。
「ヒートでは何がどう展開するかわからないから、ヒート中にいつでも作戦の方向を変えられるようにならないと。ジョンは8点近いポイントでスタートしたけど、そのあとモーガンのほうが波の選択がよかった。相手がワイルドカードだからって油断したわけじゃなくて、逆に少し攻めすぎてミスになったところもある。プライオリティの時の波のチョイスミスもあったと思う」。
ミックが「長いこと試合に出ていないから、試合カンのようなものが足りなかった、ってのもあるよね、あるいは力みすぎか……」というと、ロスは「そう、ジョンみたいにすごい才能や技量のあるサーファーは、どうやって力が入りすぎないようにするかに注意しなくちゃならない。でも、だからといってその力を入れてやるのを止めることはできない。なぜなら、そうなったときには負けるケースより勝つケースのほうが多いから。あのヒートは行き過ぎて負けた感じ。モーガンにとっては夢のヒートってことだね」。
≫ミックとロスのディベート「Getting Heated」 記事一覧
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