コラム特集
「2019年スリランカ20周年の旅⑲」
今回のハルさんこと福島晴之氏のコラム『One Earth』スリランカ20周年の旅の19話目は『A Frame Surf Shop』が架け橋となった現地サーファーと日本人女性の国際結婚の話や、サーフショップ誕生の10周年を祝うトリップとコンテストの話。
このコンテストが大きな節目となり、ヒッカドゥワやアルガンベイだけでなく海沿いに住む沢山の子供達がサーフィンをやり始めるきっかけとなり、国のスポーツ省が認定するサーフィン協会の発足にも結び付いたそうです。
そして、2019年は『ISA World Surfing Games』という世界を代表する大舞台にスリランカの選手が参加するまで発展。
マンボーを始めとしたローカルの功績が大きかったとハルさんは話していました。
国際結婚
僕がマンボーと仕事を始めた時、彼は24歳、その他のローカル達はみんな20歳前後だった。
それから10年間の間に彼らの多くが結婚した。
そのほとんどが日本人との国際結婚だ。
マンボーには二人の兄弟がいるのだが、二人とも奥様は日本人。
現在千葉でサーフショップを営むチャンディカ、一緒に『A Frame Surf Shop』を切り盛りしてくれていたチャミーも今は日本人と結婚して栃木に住んでいる。
そして、僕の親友のスサンタとざっと数えたら両手で足りないくらいいた...。
2020年現在はその下の世代も日本人と結婚しているから、相当の数になる。
同じ島国同士で仏教徒というのが考え方や親近感も沸くのかもしれない。
日本人と結婚したら当然日本とスリランカを行き来するようになる。
ヒッカドゥワ毎日家族のように一緒にいた仲間達が今度は日本に来てキャンプにサーフィン、スノーボードを一緒にするなんてなんとも不思議な感じだ。
10周年を祝う旅
2009年の11月13日。
『A Frame Surf Shop』をオープンして10年の節目となった。
10周年を祝う旅をしたいと日本にいる仲間達に声を掛けたら、サーファーもノンサーファーも含め25人もの人たちが集まった。
11月はまだアーリーシーズン、少しずつコンディションが上向いていく時期で、まだツーリストの数も少ない。
みんなマナーはもちろん守るが、ほとんどが貸し切りポイントなので海でトラブルになることもない。
僕達はヒッカドゥワのメインポイントや南に30分ほど下ったゴールという町のビーチブレイク。更に南下したところにあるウェリガマのポイントなどいろいろな所で波乗りをした。
そして、期間中『A Frame Surf Shop』の誕生記念日に合わせてサーフコンペを開催した。
この大会にはヒッカドゥワ、アルガンベイはもちろん、スリランカ全土から60名を超えるサーファーが集まった。
僕も運営を手伝いながら大会に参加させてもらった。
波は胸くらいで、面も綺麗で良い波だった。
僕は生まれて初めて大会というものに参加したのだが、すごく楽しかった。
(結果は2回戦敗退)
大会は無事に終了し、その日の夜に表彰式とパーティが行われた。
店の前には大きな特設スタジオが用意されツーリストから関係者まで300人くらいの人が集まった。
表彰式の前に『A Frame Surf Shop』の代表としてマイクで話す機会をもらったので、ここまでの軌跡を振り返ってマンボーやローカル達がスリランカのサーフカルチャーを牽引していることや、些細だけど自分も『A Frame Surf Shop』というショップを作ったことでそこに携われ、家族同然に接してくれたみんなに対して感謝を伝えた。
この時の記憶は僕にとって生涯忘れることのできない日となった。
パーティは遅くまで続き、マンボーやローカル達、日本から来てくれた仲間達と10周年のAnniversaryを祝った。
そして、この8日間のツアーも無事に終わった。
スリランカから世界へ
スリランカではマンボーやローカル達が年に1度、自らスポンサーを募り子供達のためにサーフコンペを運営してきたのだが、この頃から若いサーファーをもっと育てたいという想いで大会が更にに頻繁に行われるようになっていった。
そして、マンボーたちの功績が認められ、遂に国のスポーツ省が認定するサーフィン協会も発足した。
これが昨年2019年9月に宮崎県木崎浜で開催された『ISA World Surfing Games』にスリランカのサーファーが出場するという大舞台に繋がったのだ。
(以下バックナンバーを参照してください)
「2019年宮崎秋サーフキャンプ編①」
「2019年宮崎秋サーフキャンプ編②」
「2019年宮崎秋サーフキャンプ編③」
世界の頂点に立つ選手と同じ舞台で戦った経験は彼らを更にステップアップさせることになるだろう。
続く。
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