コンテスト
巨大なナザレで『Nazare Tow Surfing Challenge』が開催された!
現地時間2月11日、世界を代表するビッグウェーブスポット、ポルトガルのナザレで新フォーマットになった『Nazare Tow Surfing Challenge』が開催!
WSLでは初のジェットスキーで牽引するトーインを採用したチーム戦。
二人一組、10チームが1ヒート1時間のサイクルで6時間ノンストップで行われるユニークなビッグウェーブコンテストは大成功に終わりました。
ウィメンズはジャスティン・デュポンが優勝
PHOTO:© WSL/Poullenot
コンテストは朝8時30(日本時間同日の17時30分)からスタート。
予想通り、アメリカ東海岸沖で急速に強まったストームにより北大西洋に巨大な北西ウネリが発生。
ナザレを象徴するプラノア・ド・ノルテ灯台の崖の上には数千人のギャラリーが集まり、最初のヒートから驚愕のライディング、ワイプアウト、救助劇とナザレでのビッグウェーブサーフィンを凝縮するような場面が続いていました。
当初は4時間で各チーム1時間2ヒートの予定でしたが、予想を上回るダイナミックなコンディションに各チーム1時間3ヒートへと変更。
6時間に及ぶ世界最高のビッグウェーブショーがライブ中継で配信されたのは世界初です。
ナザレではフリーサーフィンでも少数派のウィメンズ。
新フォーマットによって68ftの波でギネス世界記録達成したブラジルのマヤ・ガベイラ、フランスのスーパーウーマン、ジャスティン・デュポンの2名がイベントに参加。
唯一ジェットスキーのドライバーとして参加するフレッド・デヴィッドとタッグを組んだジャスティンが山のようなグラッシーなレフトの波をメイク。
この一本が評価され、ウィメンズで優勝。
「ヒートの序盤に良い波に乗れてラッキーだったし、気持ちも落ち着いたわ。本当に嬉しい。フレッドとは良いリズムだったし、波に乗り終わった後も最高のタイミングで迎えに来てくれたわ。過去一年のトレーニングが成果を上げた。最大ではなかったものの、何本かは本当に大きな波だったわね。コンテストには完璧なコンディションだった」
ナザレでの映像で『2019 Women’s XXL Biggest Wave Award』も受賞しているジャスティン。
ワールドチャンピオンにも相当する『Nazare Tow Surfing Challenge』の優勝で、今まさに世界一に!
メンズはカイ・レニーが優勝
PHOTO: © WSL/Masurel
ハワイが生んだ若き天才ウォーターマン、カイ・レニーはブラジリアンのルーカス・チアンカとチームになり、あの巨大なナザレでエアーを取り入れた革新的なライディングを披露。
スケールの概念が崩壊してしまうような印象的なラインで『Nazare Tow Surfing Challenge』のタイトルを獲得しました。
「ルーカスなしでこの波に乗ることは出来なかった。だから彼も優勝と同等だよ。これがトーインサーフィンの素晴らしいところ。過去数年間、パドリングのイベントで彼と争ってきたけど、ようやく仲間とチームを組んで戦うことが出来た。彼はライトの波に乗るように引っ張ってきたけど、’ウェッジ’のようになり、予想以上に大きな波になったのさ」
カイ&ルーカスの「Team Young Bulls」がチーム戦優勝
PHOTO:© WSL/Poullenot
新フォーマットの『Nazare Tow Surfing Challenge』ではサーファー同士がチームになるため、「チームブラジル」「チームポルトガル」のような国別の括りが中心でしたが、カイ・レニーとルーカス・チアンカはスポンサーのRed Bullを文字って「Team Young Bulls」として参加。
優勝したカイはもちろん、2017/2018シーズンのチャンピオン、2018/2019シーズンに2位に入ったルーカスも40ft以上あるナザレの巨大な壁をまるで頭サイズの波のように乗りこなし、ファンを興奮させていました。
「私達が一緒にトレーニングをしたのは数回のセッションのみなんだ。カイのパフォーマンスは自分の好きなサーフィンと完全に一致する。私達はお互いが本当に望むようにジェットスキーを運転していたから、やりやすかったよ」
ウォーターセーフティーチームが「Jogos Santa Casa Commitment Award」を受賞
イベント序盤に早くも救助劇があり、ジェットスキーと共に巻き込まれたポルトガルチームのアレックス・ボッテロが病院送りになるなど華やかな舞台の裏でビッグウェーブサーフィンの危険性を改めて認識させられた『Nazare Tow Surfing Challenge』
ウォーターセーフティーチームの体制も万全に整えられ、参加した各チームにそれぞれレスキュー担当者がいるのはもちろん、更にもう一つのレスキューを用意。
ビーチや沖のボートでの医療対応の準備もされていました。
予測不可能なコンディション、サーフィンコンテストの中で最も危険な部類に入る今回のイベントで一つの命も奪われなかったのは世界最高のセーフティレスキューでもあるアスリート自身の力とウォーターセーフティーチームの仕事。
授賞式では、このウォーターセーフティーチームに特別賞の「Jogos Santa Casa Commitment Award」が与えられました。
今まで夏の避暑地だった小さな漁師町ナザレ。
ここでサーフィンされるようになったのは僅か数年前、それが今では世界で最も有名なビッグウェーブスポットの一つになり、毎年数十万人がここに訪れるようになっています。
ナザレの波の特徴を活かした新フォーマットの『Nazare Tow Surfing Challenge』はビッグウェーブサーフィンの凄さを世界中に示した最高のイベントでした。
WSL公式サイト
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