コンテスト
ジャック・ロビンソンが優勝して念願のCT入り!『Vans World Cup of Surfing』ファイナルデイ
37年目を迎えたハワイの伝統的なタイトル、トリプルクラウン。
今年はハレイワでのファーストイベントでポルトガルのフレデリコ・モライスが初優勝。
サンセットビーチでのセカンドイベント『Vans World Cup of Surfing』はウェイティングピリオド前半に入った西北西ウネリでアーリーラウンドが消化され、後半に入った北〜北東ウネリでクライマックスを迎えていました。
ファイナルデイとなった現地時間12月2日は公式10-12ftレンジのオフショア、パーフェクトコンディション。
トリプルクラウンのタイトルの他、QSの最終戦でもある今イベントで最高のライディングを披露したのはロボことジャック・ロビンソン(AUS)でした。
ファイナルはジャック’ロボ’ロビンソンの一人舞台
10代の頃、ウエスタンオーストラリアの神童と呼ばれていたロボ。
リーフブレイクでは世界トップレベルのサーフィンながらスモール〜ミドルのビーチブレイクでは才能を発揮出来ず、何年もQSでスタックしていました。
21歳になった2019年は年初のパイプラインを舞台とした『Volcom Pipe Pro』で優勝。オーストラリア、南アフリカ、カリフォルニア、ヨーロッパとフルで世界を回り、ランキング22位で今回のイベントに入り、快進撃を続けていました。
ファイナルではリクオリファイがかかっているエゼキエル・ラウ(HAW)、ファイナル前にCT返り咲きを決めたイーサン・ユーイング(AUS)、ダークホースのコディ・ヤング(HAW)と対戦。
波運、バレル、ターン、全てがタイミング良く、もはや他の3名が脇役としか思えない見事なバレルライドの連続でトータル19.07の圧勝。
MCが’ジャック・ロビンソンショー’と称するほどの一人舞台。
この優勝で10,000ポイントを加算してQSランキング5位に浮上、念願のCT入りが決定しました。
「最高だったね。ウネリが上がる前から準備は出来ていたよ。期待以上の波だったさ。CTにはもっと早く入りたいと思っていたけど、タイミング的には今だったのかもね。今年は一生懸命に仕事をした。頭の中を整理して最高の舞台に上がるよ。もう、準備は出来ているよ!」
パイプラインでの印象が強いロボですが、サンセットビーチとの相性も良く、トリプルクラウンの前哨戦『Vans Pro』では何度もファイナルに残っていました。
ノースショアの中でもワイルドなブレイクのサンセットビーチはホームのウエスタンオーストラリアにも似ているのでしょう。
「ここでは長い間サーフィンをしてきたよ。確かではないけど、自分にとってサンセットは縁起が良いのかもね。ファイナルでは、その二つが重なってやりたいように出来たんだ。このためにずっと積み上げてきたような気がする。やっと巡ってきたベストを尽くせるタイミングとセクションでできる限りのことをしたよ。最高のタイミングでピークに達したように感じたね」
イーサン・ユーイングが返り咲きを果たす
PHOTO:© WSL/Keoki
このイベントで優勝していればQSでのリクオリファイが達成出来たエゼキエル・ラウ(HAW)は2位でチャンスを逃し、現在ランキング28位まで追い込まれているCTの最終戦で上位に入らなければツアーから脱落することに...。
一方、3位になったイーサン・ユーイング(AUS)はハレイワでもファイナルに残って4位とこのハワイで一気にポイントを稼ぎ、QSランキング8位に浮上してCT返り咲きに成功しました。
「ハワイに来るまでランキングが低かったので、クオリファイの計画は持っていなかったんだ。良いヒートと結果を残し、ハワイの波について多くの学びたかっただけさ。トリプルクラウンのトップに立つなんて期待していなかったよ。ただハワイでサーフィンをして良いシーズンの締めくくりをしたかっただけなんだ。パイプのトライアルには参加すると思う。どうなるか見届けて欲しいけど、本当にトリプルクラウンのタイトルは期待していないよ」
大原洋人も所属するジェイク・パターソン率いる’スネークテール’の新メンバーでもあるイーサン。
2016年のトリプルクラウンではルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。その年にクオリファイを果たし、2017年はCTデビューを果たしたものの、僅か1年で脱落。
QSからやり直した2年間の成果がこのハワイで実を結び、なんと!トリプルクラウンのカレントリーダーにもなり、パイプライン出場のトライアルにも参加可能になりました。
なお、今シーズンのトリプルクラウンのルーキー・オブ・ザ・イヤーはハレイワで25位、サンセットビーチで13位になったオージーのモーガン・シビリックが獲得。
モーガンはQSランキングでも11位に浮上。ランキング内のCT選手がダブルクオリファイを果たせば、繰り上げでCT入りになります。
PHOTO:© WSL/Heff
QS最終ランキングが決定
これで2019年のQSイベントが終了して最終ランキングが決定。
ロボとマシュー・マクギリヴレイ(ZAF)が2020年CTルーキーとなり、イーサンの他、フレデリコ・モライス(PRT)、アレックス・リベイロ(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)が返り咲き。
ロボはもちろん、南アフリカのマシューはトリプルクラウンでもハレイワで3位、サンセットビーチで9位と堂々の結果を残しており、ルーキーイヤーから活躍が期待されています。
「大きな目標を達成出来て本当に嬉しいよ。サンセットで行われているファイナル、凄い波だよね。自分が来年のCTに入れると正式に聞いた時、感情が溢れたし、ほっとしたね。自分にとって最大の夢だったCT入りを達成した気持ちは説明するのが難しい。ハワイでは素晴らしい経験をして全てが上手くいった。本当に最高の気分さ。ジョーディ・スミスは10年以上に渡って南アフリカのサーファーにとってインスピレーションの源。ツアーに自分が参加出来ることは素晴らしいよ」
PHOTO:© WSL/Keoki
最終戦『Billabong Pipe Masters』は12月8日〜20日に開催。
2枠のワイルドカードを賭けてのトライアル『 Pipe Invitational』は32名によって行われます。
『Vans World Cup of Surfing』結果
1位 ジャック・ロビンソン(AUS)
2位 エゼキエル・ラウ(HAW)
3位 イーサン・ユーイング(AUS)
4位 コディ・ヤング(HAW)
『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
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