コンテスト
ヤゴ&セージが『Vans US Open of Surfing』初制覇!
カリフォルニアの真夏の祭典、『Vans US Open of Surfing』が今年もピアが象徴的なハンティントンビーチで一週間に渡って開催。
昨年は五十嵐カノア(JPN)がブレット・シンプソン以来の2連覇を達成、ローカルの偉業にビーチタウンが盛り上がり、今年も多くの人がカノアをサポートしたものの、残念ながらR4で敗退。
メンズ優勝はヤゴ・ドラ
イベント期間中、前半はスモールながら安定した地形で順調にスケジュールは進行。
後半は夏の南ウネリが入り、公式3-5ftレンジまでサイズアップして見応えある戦いに!
メンズQS10,000ではブラジリアン、オージーが強く、ヤゴ・ドラ(BRA)が得意のエアリアルを武器にハイスコアを量産。
CT選手を次々と倒して勢いがあったリアム・オブライエン(AUS)とのファイナルでもリズムは崩れず、終わってみれば圧勝でした。
「凄い嬉しい!今日、ここに来てくれたみんなに感謝したい。こんな大勢の観客の前でサーフィンする気分は最高さ。今日は気合を入れてベストを尽くした。自分の全てを注ぎ、上手くいったんだ。ファイナリスト、特に対戦相手のリアムのことを讃えたい。彼は本当に素晴らしいサーフィンをしていたよ」
PHOTO: © WSL/Morris
ブラジリアンでは2013年のアレホ・ムニーツ、2014年、2016年のフィリッペ・トレドに続く、3人目の『US Open of Surfing』のタイトルを獲得したヤゴ。
QSランキングも一気に50位から4位に浮上。
2年目のCTでは現在25位とリクオリファイのラインを大幅に下回り、苦戦しているだけに彼の選手人生さえ左右する重要な優勝になったと言えます。
「ハンティントンビーチでの9日間、良い波に恵まれたよね。優勝を目標に家から出発して達成することが出来た。この嬉しさをどうやって説明して良いか分からないよ」
キャリア最大の優勝に声を震わせながらスピーチしていたヤゴ。
次のチャレンジは8月21日からスタートするタヒチでのCTです。
2位はダークホースのリアム・オブライエン
今年は志田下でのQS6,000で9位に入ったために日本では少し有名になったものの、世界的に層が厚いオーストラリアの中ではほぼ無名と言えるリアム・オブライエン。
R3ではミゲル・プーポ(BRA)、R4で五十嵐カノア(JPN)、R5でジャック・フリーストーン(AUS)、QFでバロン・マミヤ(HAW)、SFでグリフィン・コラピント(USA)とスター選手を次々と倒してハイグレードでの初ファイナル。
8,000ポイントを加算して一気に10位とクオリファイ圏内に入っています。
「もう、舞い上がっているよ。この場所にいることが現実とは思えないね。自分なんかがこの舞台にいるべきではないと正直思っているのさ(笑) こんな機会を与えられたことに感謝したい。自分の出来る限りのことをしたし、観客のみんなにも感謝するよ。自分が勝ち上がったヒートのことを振り返ると、全く信じられないね。サーフィンを向上させるために出来る限りの努力を続けるよ。QS10,000でここまで勝てるなんて本当に嬉しい」
ウィメンズはセージ・エリクソンが優勝
昨年まではCTの1イベントだったウィメンズが今年からQSに新設された10,000に変更。
それでもCT選手がほぼ全員揃い、リプレイスメントのセージ・エリクソン(USA)を含めてベスト8に残ったのは全てCT選手。
QS選手が勝ち上がるにはハードルが高かったようです。
ファイナルはジュニア時代からのライバル、セージとコートニー・コンローグ。
カリフォルニアを代表する二人の選手が揃い、ピアに向かって延びるレフトの波に狙いを絞っての勝負。
6ポイント台2本のコートニーに対して更に際どいセクションに当てていたセージが8.17。バックアップも上回り、完勝。
QS10,000ポイントを得てランキングを23上げて一気に2位になり、QS側からのクオリファイがほぼ確実に。
PHOTO: © WSL/Herron
「海から上がる時、大泣きしたわ。この優勝は2週間前に亡くなった祖母に捧げる。彼女のことが大好きだった。彼女も私のことを誇りに思ってくれていることでしょう。サポートしてくれたビーチにいる全ての友人、母に感謝したい。賞金のことは明日考えるわ。今は本当にこの喜びを味わいたい。カリフォルニアのみんなにも感謝する。とても嬉しいわ」
優勝直後、表彰台でのインタビューで亡くなった祖母のことを話すと感情が溢れていたセージ。
このイベントで最も感動的な場面でした。
日本人選手の結果
PHOTO: © WSL/Morris
五十嵐カノア以外にも日本人選手が参加したこのイベント。
前田マヒナがR4で敗退で9位でフィニッシュしたものの、ランキングは10位から9位にアップ。
ジュニアでは安室丈がファイナル進出の3位。
これは2015年の新井洋人、2016年の森友二に並ぶ記録です。
稲葉玲王、大原洋人はR2で敗退。
今回の結果により稲葉玲王は5位から11位
大原洋人は15位から20位にランクダウンしています。
『Vans Joel Tudor Duct Tape Invitational』
PHOTO: © WSL/Herron
もうすぐ10年目となり、年々規模が拡大しているジョエル・チューダー主催の『Vans Joel Tudor Duct Tape Invitational』
2019年はポルトガルですでに開催され、ハワイのカニエラ・スチュワート、ウィメンズはブラジルのクロエ・カルモンが優勝。
2戦目となったハンティントンビーチではジャスティン・クインタル(USA)、ウィメンズはケリス・カレオパ(HAW)が優勝。
二人以上で波に乗るシェアライドもOKの自由なこのコンテストは世界中に広がり、10月にニューヨーク、11月には日本での初開催も決定。
舞台は鵠沼、日本中のロガー達、世界中のスタイルマスターが集まる貴重なチャンスを逃さないように今から準備をしておこう!
QS10,000『Vans US Open of Surfing』結果
1位 ヤゴ・ドラ(BRA)
2位 リアム・オブライエン(AUS)
3位 アレックス・リベイロ(BRA)、グリフィン・コラピント(USA)
5位 コナー・オレアリー(AUS)、ヨーガン・クウジネット(FRA)、バロン・マミヤ(HAW)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)
ウィメンズ
1位 セージ・エリクソン(USA)
2位 コートニー・コンローグ(USA)
3位 ブリッサ・ヘネシー(CRC)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
5位 キャロライン・マークス(USA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS)、マリア・マニュエル(HAW)
『Vans US Open of Surfing』公式サイト
>WSL公式サイト
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