コンテスト
東日本大震災後初の福島のJPSAイベント ロングボード第4戦『北泉プロ』を制したのは?
2011年3月11日に発生した東日本大震災以前は数々のコンテストの開催地として東北を代表するブレイクだった福島県・北泉。
あれから8年、徐々に復興が進んでビーチや周辺の施設も整備され始めています。
市は原発事故後の放射線量測定を続け、海水の安全性などが確保できたとして2019年7月には海水浴場が再開。
サーファーも増え始め、NSA主催の「東日本サーフィン選手権大会」が2年連続で開催。
そして、遂に震災後初のJPSAのイベント、ロングボード第4戦『北泉プロ』が7月20日〜21日に開催されて無事に終了しました。
男子は井上鷹が優勝、そして初のグランドチャンピオン
全5戦の内、すでに3戦が終了した時点で開幕戦、第3戦で優勝、第2戦で2位と圧倒的な強さで2位以下を大きく引き離していた18歳の井上鷹。
風の影響が入った難しいコンディションでも彼のリズムは崩れず、トップシードとして登場したR2から全て他選手がトータルで1桁のスコアの中、2桁のスコアを重ねて余裕のファイナル進出。
ランキング4位でファイナルに進んだ堀井哲が優勝出来なければ井上鷹が最終戦を待たずに初のグランドチャンピオンを獲得というシチュエーションでした。
井上鷹と同世代の塚本将也、ベテランの尾頭信弘を交えたファイナルは堀井哲、井上鷹が6ポイント台をスコアして二人のクロスゲーム。
後半、堀井哲がリードした状況でボードをチェンジした井上鷹はノーズライド、ドロップニーでカットバック、再びノーズライド、ハング10もメイク。スコアが出るまで時間がかかり、終了まで引っ張ってしまいましたが、ジャッジは6.10をコール。
この時点で井上鷹が逆転優勝、見事に初のグランドチャンピオンを獲得しました。
表彰台では南相馬市長にトロフィーとウィナーパネル、賞状を授与されていた井上鷹。
海と同様に18歳とは思えない堂々としたスピーチを披露していました。
「凄い良い波で最高でした。最後の波は決めたって感じでしたね。最初乗っていた板は最近乗ってなくて慣れていなかったので、取り替えました。作戦が成功して良かったです。福島は始めてでしたが、凄い良い波で地元の方も良い人ですね。大会を開催してくださったJPSA、地元の方々、スポンサー様の方ありがとうございました。来年もここに戻ってきたいので宜しくお願いします」
女子のタイトル争いは最終戦へ
女子はカレントリーダーの小山みなみが欠場。
今シーズンスポット参戦ながら優勝している田岡なつみ、吉川広夏の二人に加え、ランキング2位の小高恵子、18歳になったばかりの平田夏帆がファイナル進出。
海外でのイベントでも活躍している田岡なつみ、吉川広夏はやはり強く、実質二人の勝負となり、序盤から巧みなノーズライドでスコアを伸ばしていきます。
後半、吉川広夏がフェイドターンからのノーズライド、インサイドまで繋げる会心のライディング。バックハンドで綺麗な足さばきを見せた田岡なつみ。
共にスコアが出るのが遅れてシチュエーションが分かりませんでしたが、吉川広夏に6.50、田岡なつみに6.00のスコアがつき、トータル11.90で吉川広夏が優勝。
第3戦の太東、第4戦の福島と2連勝を決め、ランキングでもトップに立ちました。
「また福島に戻ってこれたことが凄く嬉しいです。このコンテストを開催するにあたって協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。福島は小学生の頃に毎年家族でキャンプしていた思い出の場所。北泉は私が始めてプロアマの試合で優勝した特別な場所です。ここでまた優勝することが出来て凄く嬉しいです」
全5戦中、上位4戦のポイントで決まるタイトルレース。
最終戦の結果次第ながら、吉川広夏が非常に有利な展開です。
最終戦は9月28日〜29日に湘南の茅ヶ崎で開催される『ALL JAPAN クリオマンション 茅ヶ崎ロングボードプロ』
その間にショートボードが伊良湖、新島、大洗と3戦続きます。
JPSAロングボード第4戦
『北泉プロ』結果
1位 井上鷹
2位 堀井哲
3位 塚本将也
4位 尾頭信弘
女子
1位 吉川広夏
2位 田岡なつみ
3位 小高恵子
4位 平田夏帆
JPSA公式サイト
photo: 日本プロサーフィン連盟(JPSA)
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