コンテスト
WSLロングボードツアー開幕戦 6,000『Noosa Longboard Open』を制したのは?
デヴォン・ハワードがツアーディレクターに就任、3つの6,000グレードのイベントと一つの10,000グレードのイベント、合計4イベントでワールドタイトルを決めるなどフォーマットが一新した2019年のWSLロングボードツアー。
開幕戦6,000『Noosa Longboard Open』がロングボーダーの聖地、オーストラリア・ヌーサで3月7日〜10日に開催されました。
28年間も続いている『Noosa Festival of Surfing』の中で行われた開幕戦には昨年のグランドチャンピオン、スティーブン・ソーヤー(ZAF)&ソレイユ・エリコ(USA)の他、歴代チャンピオンや強豪が世界中から集結。
残念ながら波の方はサイクロン「Oma」が去った後、すっかりウネリが弱まってしまい、メイン会場のファーストポイントは序盤だけでインサイドのメインビーチ、後半は南下したオープンなビーチブレイク、キャスタウェイズのサンシャインビーチで進行と移動を余儀なくされていました。
PHOTO:© WSL/Barripp
メンズはスティーブンとWSLイベントは2014年以来の参加となるアメリカ・フロリダ出身のジャスティン・クインタル(USA)がファイナルを戦い、僅か0.27のクロスゲームの末にジャスティンが優勝。
ファーストポイント、メインビーチ、サンシャインビーチと3つのブレイクで合計8ラウンドをこなしたジャスティン。ローカルで優勝候補の筆頭だったハリソン・ローチ(AUS)とのSFでは互いに9ポイントをスコアしてファイナルより更に緊迫した0.16ポイント差のクロスゲームを制していました。
ドロップニーカットバック、クリティカルセクションでのハングテンなどジョエル・チューダー主催の『Vans Duct Tape Invitational』で常勝の彼らしいスタイリッシュなサーフィンを披露。
新しいロングボードツアーの勝者にふさわしい選手、そして戦いぶりでした。
「とても驚いているし、優勝なんてちょっと予想外だったね。ここまでは本当に長い旅だった。土壇場で出場を決意したんだけど、来て良かったよ。ウネリが下がってしまい、多くの移動を強いられた大変な週だった。でも、イベント関係者の対応は本当に見事で、毎日ベストウェーブに乗ることが出来たのさ。新しい方向性を示したWSLのロングボードツアーは素晴らしい。これからも素晴らしい場所で凄いロングボーダーが戦うのを見ることが出来るだろうね。スペイン、NYでのコンテストも本当に楽しみ。そして、最後に台湾に行けることを願っているよ」
PHOTO:© WSL/Barripp
昨年、BCMの海外波情報でもお馴染みの金樽漁港での『Taiwan Open World Longboard Champs』で優勝。
1イベントでワールドタイトルが決まるフォーマットで初のワールドチャンピオンに輝いた南アフリカ出身のスティーブン。
ショートボードも世界トップレベルの彼は2016年のJ-BayでのCTのローカルトライアルで優勝してワイルドカードで出場した経験もあり、その魅力的なキャラクターからロングボードツアーで最も人気がある選手の一人と言われています。
「私はコンテストが大好きなんだ。血が騒ぐよ。イベントが増え、ロングボードツアーとして新しくなったフォーマットは本当に良いね。ジャスティンとヒートを戦えたことに興奮しているし、それがファイナルという事実が更に特別なものにしたよ。台湾での優勝を裏付けるために少しプレッシャーを感じていたから、ファイナル進出はとても嬉しかった。クイーンズランドのヌーサで過ごした一週間は最高だったよ。凄い気に入ったさ」
メンズ、ウィメンズ共にオーストラリア・ヌーサの後は8月のスペイン・ガリシア、9月のニューヨークで6,000グレードのイベントがあり、3つのイベントのトータルポイント上位12名と2018年のランキング上位8名、4名のワイルドカード、メンズ・ウィメンズ共に24名が12月に台湾・台東で開催される最終戦の10,000に出場してワールドタイトルを争うことになります。
今まで1〜2イベントで決まってしまったワールドタイトルの価値が一層上がり、ツアーとしての面白さも増すことでしょう。
PHOTO:© WSL/Barripp
ウィメンズは2011年からWSLイベントに参加、過去何度もトップ3に入りながらワールドタイトルを逃しているクロエ・カルモン(BRA)が優勝。
SFでは2016年のワールドチャンピオン、トリー・ギルカーソン(USA)に大差で勝利、ファイナルでは2017年のワールドチャンピオン、ホノルア・ブロムフィルド(HAW)を相手にクロスゲーム。僅か0.63ポイント差で開幕戦を制することに成功。
「このイベントで優勝出来たことも嬉しいけど、ロングボードツアーの新しい方針にもっとストークしているわ。新しいイベントとフォーマットのロングボードツアーは多くのサーファーにタイトルのチャンスが増えてとても良い。参加する方もかなりエキサイティングするわ。私が優勝するなんて予想もしていなかったから、本当に驚いているの。確かに優勝することが目標だったけど、それはファーストポイントが会場の場合だと思っていたからね。ファーストポイントで練習を重ね、バックサイドばかりだったから、まさかレフトのビーチブレイクで優勝するなんて考えていなかった。でも、私は勝ったわ」
PHOTO:© WSL/Barripp
メンズのスティーブン同様、WSLのQSにも参加しているホノルアは2017年にロングボードで初のワールドタイトルを獲得。
当時18歳、これは2015年のレイチェル・ティリー(USA)に並ぶ最年少記録。
2018年は3位と世界のトップレベルを維持し、20歳にして2度目のタイトル獲得のチャンスが巡ってきました。
「ファイナルは少ししくじってしまった感じ。がっかりだわ。ファイナルに進出、次のイベントに向けてセットアップ出来たのは嬉しいことだけど、本当に勝ちたかったの。新しくなったロングボードツアーのおかげで自分自身を証明するイベントが残り3つもあることは喜ばしいわ」
なお、このイベントには浜瀬海、畑雄二、井上鷹、塚本将也。ウィメンズは吉川広夏、田岡なつみ、小山みなみと多くの日本人選手が参加。
早いラウンドで敗退した選手が大半の中、小山みなみがQFに進出。ベスト8まで残り、5位でフィニッシュしていました。
生まれ変わったロングボードツアー、通称LT。
次のイベントは8月28日〜31日にスペインのガリシアで開催される6,000『Galicia Longboard Pro』です!
LT6,000
『Noosa Longboard Open』結果
1位 ジャスティン・クインタル(USA)
2位 スティーブン・ソーヤー(ZAF)
3位 テイラー・ジェンセン(USA)、ハリソン・ローチ(AUS)
5位 ニック・ジョーンズ(AUS)、ジョシュ・コンスタブル(AUS)、カニエラ・スチュワート(HAW)、トニー・シルヴァニ(USA)
ウィメンズ
1位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW)
2位 クロエ・カルモン(BRA)
3位 トリー・ギルカーソン(USA)、レイチェル・ティリー(USA)
5位 エミリィ・レスブリッジ(AUS)、キラ・シール(HAW)、小山みなみ(JPN)、アリス・ルモアーヌ(FRA)
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