コンテスト
ステファニー・ギルモアがレイン・ビーチェリーに並ぶ7度目のワールドタイトルを獲得!
現地時間11月26日、オアフ島・サンセットビーチを舞台としたトリプルクラウン第2戦『Vans World Cup』の素晴らしいオープニングデイから一夜明け、予報通りに今シーズン最大の北西ウネリが入ったマウイ島で2つのビッグイベントが同時開催。
ホノルアベイではウィメンズCT最終戦『Beachwaver Maui Pro』、「Jaws」ではBWT『Jaws Challenge』
WSLのサイトでは異例の2画面同時ライブ中継がセットされていました。
『Jaws Challenge』の方はパドルにはウネリが強過ぎたため、ウィメンズのSFとファイナル。
メンズのSF、H1を終了した時点で翌日に持ち越しが決定。
ウィメンズはカーラ・ケネリー(HAW)が初優勝。
ワイプアウト続出の危険なコンディションでジャスティン・デュポン(FRA)は肩と右膝を脱臼。
それだけで済んで幸いだったと感じるほどウィメンズには限界を超えた波でした。
メンズでは前日の『Vans World Cup』でパーフェクト10を出して話題になっていたローカルのビリー・ケンパーが1本目で巨大なバレルにプルイン。メイクは出来なかったものの、8.17のハイエストスコアをマーク。強烈な印象を残し、Nazaré Challenge』で優勝したグラント・ベーカー(ZAF)などと共にSF進出を決めています。
PHOTO:© WSL/Hallman
PHOTO:© WSL/Morris
『Beachwaver Maui Pro』の舞台、ホノルアベイはダイレクトにウネリが入る「Jaws」と違って回り込んでウネリが入ってくるため、大き過ぎるということは無く、公式6-8ftレンジ、このブレイクではマキシマムのパーフェクトコンディション。
もし、コンテストが開催されていなければ他の島からもサーファーが集まってくるような素晴らしい波に恵まれ、R3の最終ヒートまで進行。
注目のタイトル争いはステファニー・ギルモア(AUS)がR1を圧勝した一方、レイキー・ピーターソン(USA)はR2の敗者復活戦行き。
更にR2でワイルドカードのアラーナ・ブランチャード(HAW)に敗れてしまい、この時点でステファニーの7度目のワールドタイトル獲得が決定。
イベント前のシチュエーションでは、ステファニーのSF進出。もしくはQF敗退でもレイキーの優勝がなければタイトル確定でしたが、意外にも呆気なく決まってしまうことに...。
ラインナップを見渡せる丘の上でサポーターと共にレイキーの勝敗を見守っていたステファニー。
全てが決まった瞬間、コーチのスネークことジェイク・パターソンなどと喜びを分かち合い、Tシャツからイエロージャージに着替えてハワイで多くの意味を持つレイを授かり、インタビューブースへ。
インタビュアーを務めたバートン・リンチにマイクを向けられ、喋り出すと感情が溢れて言葉が詰まる場面も...。
「こんなに早くこの瞬間が訪れるとは予想していなかった。凄いナーバスだったわね。あの激しいヒートでアラーナが勝った...。まだ信じられないわ。友人、家族、その他この舞台に立たせてくれて手を差し伸べてくれた全ての人に感謝したい。両親はオーストラリアに帰ってしまったけど、姉のホイットニーや友人は観戦してくれていたの。それは心強かったわ。スポンサーの’Roxy’の皆んなや、私のキャリアをサポートしてくれている全ての人に感謝したい。WSLがウィメンズにしてくれた一つ一つのことが素晴らしいわ。この波でサーフィンさせてくれたローカル、イベントに携わっている全ての人、コーチのジェイク・パターソン。シェイパーのダレン・ハンドレー、、彼は13〜14年間もベストボードを削ってくれている。この全ての人たちの協力がなければ私はやり遂げることが出来なかった。そして、このタイトルをピエール・アグネス(「Quiksilver」の元CEOで今年1月に釣りに出て遭難、消息不明のまま捜査打ち切りになった)に捧げたい」
2007年、19歳の時にルーキーとして史上初のタイトルを獲得したステファニー。
2008年、2009年、2010年とケリー・スレーターでさえ達成していない4年連続のタイトル獲得。
オフシーズンにトラブルに巻き込まれて全治6週間の怪我を負った2011年はスランプに陥ったものの、翌年の2012年には5度目。
2014年に6度目、2015年はフリーサーフィン中に骨折してしまい2016年は再びスランプに...。
2017年は復活してタイトル争いに絡み、2018年は優勝が3回、2位が2回と圧倒的な強さで30歳にして7度目のタイトルを獲得。
これはレイン・ビーチェリーに並ぶ最多記録でもあります。
(メンズはケリーの11度が最多記録)
「レインと肩を並べることが出来たのは光栄よ。彼女は私のキャリアの大きなインスピレーションを与えてくれているし、世界中の多くの女性サーファーにとって魅力的な存在。基準を設定してくれたことを感謝する。この7度目のタイトル獲得を満喫するわ。本当に最高よ」
その他にもサーフィンへの愛を思う存分語っていたステファニー。
それはサーファーである誰もが誇りに思えるような言葉でした。
ちなみに下の写真はステファニーのバレルイン、良く見ると笑顔です。
今シーズン2勝を上げて最後までステファニーとタイトルを争ったレイキー。
惜しくも初の栄冠は逃したものの、怪我から見事に復活したシーズンだったと言えます。
「今日はベストなパフォーマンスが出来なかったけど、信じられないようなシーズンだったし、とても楽しかったわ。今日も含め、一年を通して学び、成長する余地はまだまだある。ステフには本当におめでとうと言いたい。彼女はとても美しく、インスピレーションを持っているサーファーよ。彼女に値する人はいないわ。辛いけど、とても楽しい一年だったし、全ての時間を楽しんだ。まだこれからよね。この傷をバネに来年は更に強くなると思う。自分自身、多くの壁を乗り越えたと思う。年末になってもワールドタイトルを狙えるポジションにいれることを証明したわ」
コンテストの方はQFを戦うベスト8が決定。
ステファニーの他、ディープなバレルで唯一9ポイントを2回も出したサリー・フィッツギボンズ(AUS)、マリア・マニュエル(HAW)、ジョアン・ディファイ(FRA)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、コートニー・コンローグ(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)、ペイジ・ハレブ(NZ)が残っています。
ネクストコールは現地時間11月27日の朝9時15分(日本時間の28日午前4時15分)
オフシャルフォーキャストの「Surfline」によると北西ウネリが続く予報。
『Jaws Challenge』と共に開催が予想されます。
WSL公式サイト
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