コンテスト
CT第5戦『Corona Bali Protected』はイタロとレイキーが優勝!
2018年のCTの大きなスケジュール変更の一つ、フィジーの変わりに選ばれたバリ島「クラマス」
2013年以来5年ぶり、ウィメンズでは初となる第5戦『Corona Bali Protected』が現地時間6月3日に終了。
今回はバリ島で深刻になっている海洋プラスチック汚染を世界中に提議するために開催直前に『Corona Bali Pro』に’tected’を加え、『Corona Bali Protected』とイベント名を変更。
詳細は以下で。
WSLが『Corona Bali Protected』にイベント名を変更した理由とは?
乾季のトレードウィンドとなる東〜南東風はクラマスにはオンショアになるため、風が吹く前の午前中のみを利用しての進行。
その影響で通算8日間と通常よりも倍の日数を費やすことになりましたが、中盤〜後半はトラッセルズとハレイワの波をミックスして完璧にしたような素晴らしいコンディションが続き、世界最高峰のサーフィンレースにふさわしい見応え十分の戦いになっていました。
ファイナルデイは公式3-4ftレンジのクリーンなコンディション。
前日よりもサイズダウンしてマニューバーやエアリアルがメインになり、メンズのSF、ウィメンズのファイナル、メンズのファイナルの順に進行。
この日の主役は唯一残ったグーフィーフッターのブラジリアン、イタロ・フェレイラ。
ジョーディ・スミス(ZAF)とのSFでバックハンドのフルローテーションエアー(写真上)、これ以上ない完璧な着地を決め、更に二つの強烈なスナップとポップショービットからスイッチスタンス。
エンターテイメント満載のこのライディングに5名のジャッジ全てが揃ったパーフェクト10。
これにはバリ島をスキップしたケリー・スレーターも自身のInstagramで絶賛。
ファイナルでもイタロの勢いは止まらず、信じられないようなスピードのターンで2本の9ポイント台をまとめ、トータル18.87。
破竹の勢いで勝ち上がってきたミシェル・ボウレズ(PYF)も完全にリズムを狂わされ、イタロがコンビネーションスコアの圧勝でベルズに引続き、今シーズン2勝目を決めました。
「’ジープリーダージャージ’を取り戻せて本当に嬉しいよ。ワールドタイトルを獲得するにはもっと多くの結果が必要。だから、今はこの瞬間を楽しみたい。そして、もっと優勝したい!CTには素晴らしいサーファーが揃っているけど、自信があるよ。この勢いを維持してリードを広げたい」
ベルズのCT初優勝では感情的になっていたイタロでしたが、今回は心から楽しんでいるのが傍からでも一目瞭然。
’パーティーマン’と化した陽気なブラジリアンは自国で一度は奪われたイエロージャージを僅か1戦でジュリアン・ウィルソン(AUS)から奪回。
2度の優勝以外は13位が2回、この後ウルワツで開催される第3戦の続きには残っていますが、成績に波があるため、まだワールドタイトルの話をするのは早いでしょう。
バリ島のビーチ凱旋は5年前に優勝したジョエル・パーキンソン(AUS)の時と同様にバリニーズがお神輿で担ぐVIP待遇。
まるで王様のように足を組み、興奮しながら身体を揺らしていました。
表彰台でも民族衣装を纏い、トロフィーはバリ島の伝統的なバロンと呼ばれる獅子の姿の聖獣をモチーフとした特別なデザイン。
羽がとれてしまうアクシデントもインスタ映えする’天使の羽’のように自らに当てて笑いを誘っていました。
「この完璧な波は自分のホームブレイクのようだよ。大好きなこの波に沢山乗るために毎日暗くなるまでパドルアウトしていた。完璧な一日だったね。ミシェルはリアルなパワーサーファーさ。恐らく、ツアーで一番だろう。そんな彼に勝つためにはベストを尽くす必要があった。幸運にも何本も良い波に乗れて自分のサーフィンを示すことが出来たね」
数字的にも10ポイントとファイナルの9.60はベストスコアの2本。
ヒートスコアのトップ3も独占して文句なしの強さ。
同じライトのポイントブレイク、ベルズでも優勝したことで分かる通り、イタロのバックハンドが冴えた時は誰にも止められません。
表彰台では最後に「テリマカシ!バリ、バグース!」と叫びながら気持ち良さそうに壇上から去っていきました。
ウィメンズでは初開催となったクラマスでの戦いで最後に笑ったのは開幕戦で優勝、ブラジルで2位と今年3度目のファイナルを戦ったレイキー・ピーターソン(USA・写真上)
今シーズン初ファイナルのタイラー・ライト(AUS)との勝負は序盤からリード。
最後にプライオリティを持ちながらもタイラーに乗らせてしまうミスがありましたが、幸運にもポテンシャルがある波ではなく、逃げ切り優勝。
開幕戦の後、ベルズではR3敗退の9位。ステファニー・ギルモア(AUS)に奪われたトップに今回の優勝で返り咲くことに。
「最高の気分よ。どうにかなりそうね。ブラジルで優勝したステファニーを見て火がついたの。ここで何をするべきかも分かっていたわ。気分を落ち着かせてこの一週間を乗り切った。一年は本当に長いけど、今のところ楽しんでいる。タイラーとのファイナルは面白かった。彼女は良いサーフィンをしていたし、最後の波に乗った時、逆転に届くスコアを出されてしまうかもと思い、とてもナーバスになったわ。結局は勝てたけどね。あの特別な椅子に乗ってビーチを歩いた気分は最高だった。みんな踊っていたし、本当にクレイジーだったわ」
ウィメンズではサリー・フィッツギボンズ(AUS)のR4のパーフェクトに近いバレルライドが印象的でしたが、レイキーは後半のラウンドにかけてペースを上げてピークを上手くファイナルに持ってきていました。
「’ジープリーダージャージ’を再び手に入れることが出来た気分は最高ね。あのジャージを着るために私達はここにいるのよ。ベルズの結果でジャージを手放すことになったから僅かな期間ね。あれ以来ステフのものだったけど、彼女から取り戻せて嬉しいし、勢いがある感じがする。でも、みんな素晴らしいサーフィンをしているから、このジャージをキープするのは簡単ではないわ。自分自身のゲームをしたいし、追う立場のような気持ちで戦いたい。そして、全てを楽しみたいわね。フィアンセ、母親、家族に感謝したい。ここ数年は大変だったけど、今年はやっと全てが上手く繋がってきたような感じがするわ」
全10戦中、4戦が終了した時点でステファニーとレイキーが2勝を分け合っています。
QFから先が残っている第3戦にも両者は勝ち上がっており、現時点ではこの二人が今年のタイトルレースの主役になりそうです。
ちなみに北米の選手が最後にワールドタイトルを獲得したのは1997年のリサ・アンダーソン。
1998年以降はレイン・ビーチェリー、ステファニー、タイラー・ライト、チェルシー・ジョージソンとオージーが大半を獲得。
その他にハワイアンのカリッサ・ムーア、ブラジリアンのソフィア・ムラノヴィッチが獲得しています。
なお、サメ騒動で異例のキャンセルとなったオーストラリア・マーガレットリバーでのCT第3戦『Margaret River Pro』は『Uluwatu CT』とイベント名を変えて残りのヒートがウルワツで開催。
3日以内に開幕して6月13日までに終了予定。
メンズはR3からで、今回優勝したイタロ、2位のミシェルを始め、ワイルドカードで大活躍したマイキー・ライト(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)、コナー・オレアリー(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)など。
ウィメンズはQFからで、今回優勝したレイキー、2位のタイラーを始め、カリッサ・ムーア(HAW)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)、ステファニー・ギルモア(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS) 、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)が残っています。
『Corona Bali Protected』結果
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ミシェル・ボウレズ(PYF)
3位 マイキー・ライト(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)
5位 グリフィン・コラピント(USA)。ウィリアン・カルドソ(BRA)、フィリッペ・トレド(BRA)、ジェレミー・フローレス(FRA)
1位 レイキー・ピーターソン(USA)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
5位 シルヴァナ・リマ(BRA)、ステファニー・ギルモア(AUS)、マリア・マニュエル(HAW)、キャロライン・マークス(USA)
2018 Men’s Championship Tour
『Corona Bali Protected』終了後のランキング
1位 イタロ・フェレイラ(BRA) 24,995pt
2位 フィリッペ・トレド(BRA) 22,820pt
3位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 21,080pt
4位 ミシェル・ボウレズ(PYF) 19,375pt
5位 ガブリエル・メディナ(BRA) 17,860pt
2018 Women’s Championship Tour
『Corona Bali Protected Women’s』終了後のランキング
1位 レイキー・ピーターソン(USA) 35,360pt
2位 ステファニー・ギルモア(AUS) 34,235pt
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW) 26,105pt
4位 タイラー・ライト(AUS) 23,640pt
5位 カリッサ・ムーア(HAW) 22,065pt
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