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■第12回レッスンリポート「更なるステップアップ」
コンペティターとしての活躍を目指す一般サーファーを無料コーチングしていこうという試みで活動中の『BCMサーファー育成プロジェクト』。
いよいよアマチュアコンテストシーンもメインシーズンを向かえ、既にいくつかの大会に出場しているメンバーも。確実に上達への道を進んでいますが、まだまだ課題点が多くあるのが実情。
6月某日。プロジェクト第1期生メンバーのレッスンを千葉で開催しましたので、その活動をレポートします!
この日の千葉エリアは強い北東風が吹き、東浪見海岸近辺はその影響でコンディションはいまひとつ。コーチ陣と相談した結果、風を交わすポイントへ南下することに。
到着したのは北からの風をオフショアとするポイント。サイズもコシ〜ハラとまずまずのコンディションの中、細川テクニカル・ディレクターによるサーフィンライディングチェックがスタート。
今回は3時間強のやや長めのラウンド。波数も多く、メンバー一同たくさんの波をキャッチし、ライディングをこなしていました。
この長いラウンドの中で、細川コーチは各メンバーの致命的な課題をピックアップしました。
●ジュンの課題
3級合格を果たしたジュンにとっての次の目標は、2級合格。積極的にリップアクションを披露するジュンですが、その動作に問題がありそうです。
ジュンのリップアクションは、ボトムターンの後、サーフボードを波のトップにポーンと放り上げるような動作になっています。そのため、重心がボードに乗っておらず、波の力でボードを返す感覚がつかめません。
また、サーフボードを返す意識が足りず、適切なタイミングを逃しているため、波のトップで置いていかれるというシーンが目立ちました。
波のフェイスを上る時点で既に目線をボトム側に向け、上体のリードを既に始めるくらいの意識が必要です。このリードにより、自然とサーフボードがボトム方向にクルっと返るのです。
この動作は部屋の壁に足をつけてトレーニングする事が出来ますので、陸上でのイメトレが効果的でしょう。
●ヨシキの課題
スピード感のあるサーフィンを目指すヨシキは、以前に比べアップス&ダウンのライディング中の身体の硬さも大分取れ、手の動かし方も自然になってきました。
しかし、思うようにスピードがつきません。
ヨシキのライディングは、常に後ろ足荷重になっているためです。このシークエンスを見ると分かるように、ボトム⇒トップのターンの繰り返しの際、常にノーズが上を向いています。これは後ろ足荷重が強すぎるためです。
トップからボトムへ降りる際は、通常よりも前足に荷重する事を意識しましょう。自分が思っている以上に前足に意識をする事で、実際のライディング中にしっかりとした荷重が実現するはずです。
ただし、「前足荷重=スタンスを前にする」という事ではありません。また、前のめりになる訳でもありません。
意識としては、体の中心線(脳天から股間を結んだライン)が前足と一直線になるようなイメージを持つのが良いでしょう。
●ユカコの課題
以前はテイクオフ動作の際に必ず腰がベタっと落ちていたユカコは、フロントサイドではスムーズなテイクオフが出来るようになりました。これによりワンテンポ早く次の動作に移ることが可能となり、波のスープにつかまってしまう事も減ります。
しかし、このシークエンスを見れば分かるように、バックサイドでは腰が落ちてしまっています。これによりワンテンポ遅れるだけでなく、かなりの失速をしています。その結果、ワイプアウトをしてしまいます。
腰を落とさずにテイクオフするには、部屋で動作を何度も繰り返すことが重要です。特にバックサイドのテイクオフを苦手とする場合は、進行方向にしっかりと目線をリードして動作をすることも有効です。
また、ユカコはもう一点課題があります。
それは、バックサイドのライディングの際に身体が完全に閉じてしまっている事。
バックサイドでうまくライディングが出来ない、という同じ課題を抱えているサーファーも少なくないかもしれません。
上のシークエンスのように身体が閉じていると、上体の動作範囲が制限され、目線や上半身のリードが全くできず、ターンも全く出来ません。
身体を開く=胸を正面に向けることで、視野が広くなり、目線のリードや先行動作が格段にしやすくなります。後ろ足を少し内側に倒すことも効果的でしょう。
●ゆみの課題
かねてから細川コーチに指摘されていた、ライディング中の下半身(腰)の低さと安定感の無さについては、ゆみ本人の意識的なライディングが現れていました。しかし、新たな課題が浮き彫りとなりました。
それは、かなり以前に西井プロから指摘されたことがある、スタンスの位置。
ゆみはテイクオフの後、スタンスの位置がノーズ寄りになっています。そのため、ノーズから水面に刺さってワイプアウトしてしまう姿が目立ちました。
また、ノーズ寄りにたってしまうことで、ターンを難しくしています。ターンがしにくいため、ボードをスケートボードのピポットターンのように無理やり動かしていて、波のフェイスを使ったターンが出来ず、失速してしまいます。
これは部屋の畳の縁やフローリングをストリンガーに見立てて、陸上で何度もスタンス位置を確認しながらテイクオフすることが必要です。
また、ワックスを塗る位置を狭くするなど、足を着く位置を制限する事も有効かもしれません。
細川コーチからの的確な指摘を受け、陸上でのイメージトレーニングの重要性も再認識した第1期生メンバー。
佐藤コーチからは、次回レッスンまでの宿題として、部屋で出来るフィジカルトレーニングの告知がありました。
気温・海水温ともに高くなってくるこの時期は、海に入ってサーフィンする事が一番サーフィン上達の近道、と佐藤コーチ。しかしながら、ストレッチやコンディショニングなどの管理は、体調をキープし怪我を未然に防ぐために常に意識する必要があります。
普段の心掛けの重要性を再度確認し、今回のレッスンが無事終了しました。
2008-07-02 15:45:26
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